結局僕らは『自然消滅』というカタチで初恋を終えた。
おかしいな、僕の予定ではずっと一緒のはずだったのだけどな。
「高校はどこへ行く?」
「同じところへ行こうよ」
「僕はあまり頭が良くないからそこへ行くのは厳しいかな」
「じゃあ、一緒に勉強しようよ」
「君の時間を奪うわけにはいかないよ」
「大丈夫だよ、一緒にがんばろうよ」
「わかった、がんばるよ」
教室の窓からぼーっと空を見ながら考えていた。僕はきっとテレビドラマの見過ぎなのかもしれないな。いやいや、でも学園生活ってのはこういうものだろう。そう僕には空想癖があった。授業中は空想に耽る。数学は好きだ。他の教科は興味がないので耽る。担任の先生には「こいつはまったく話を聞いていないな」と思われよく頭を殴られた。ボカンと。進路のことも何も考えてなかったから呼び出されては叱られる。
「おまえは何がしたいんだい?」
「先生、僕は勉強が好きではありません。数学だけは好きみたいです。どこの高校へ行けばいいですか?」
僕は先生の勧めで商業高校へ行くことにした。
