中学校で学んだことは「現実は厳しい」ということだった。世の中そんなに甘くはないと言えばそれまでだが、本当に上手くいかないことの連続だった。新設されたこの中学校に通っていなければ今頃どんな感じだったんだろうなと空想に耽っていると、僕の名前が呼ばれた。
卒業証書授与。
制服のブレザーのボタンは女の子にあげた。こう見えて僕は意外とモテる。現実は厳しいぜと思いつつも女の子にモテるのはとても光栄なことだった。しかもだ、1つのボタンは自然消滅してしまった彼女が欲しいと言ってくれたのだ。
晴れて卒業。さらば中学。いざ高校へ。
