ほんの少し前

高橋さん

「おはよう」
「おはよう」

駅に着くと高橋さんがいる。高橋さんとは僕のことを「かっこいい」と言ってくれた女子校に通う女の子である。

「眠くない?」
「とても眠い」

僕は毎朝6時32分に駅に着く。駅から高校まで徒歩5分、部室に着いたらさっと着替えて体育館へ。朝練は7時〜8時の1時間。絶賛成長痛の僕の居場所は体育館の入り口付近の隅っこである。

話しは戻り、高橋さんである。駅から高校までの徒歩5分間、僕は高橋さんと歩いている。バスケ部新米のくせに朝からデートかい。と思われてもおかしくない状況を鈍感な僕は平然とやってのけるのだ。高橋さんはとても話しやすい。いや、お互い知らないことが多すぎるのでお互い聞きたいことだらけなのだ。

ドリブル練習をしながら僕は思う。初恋の女の子は元気にしてるだろうか?あの頃はどうしてうまく話せなかったんだろう。キッシーの気配がして僕はドリブルに集中する。

「キッシーナイシューー!」

ほんの少し前
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ぼく

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日本で暮らす