膝の痛みがなくなり、ようやくフルメニューの参加の許可が出た。完全に出遅れだ。でもやっと走れることが本当に嬉しい。と同時に中学の時にバスケ部があったらなと思ってしまう。
「あー、バスケがしたいです。もっとバスケがしたかったです。」
ここからキッシーに追いつくのは至難の業だということは僕自身が一番わかっている。さて、どうする?こう見えて僕は負けず嫌いだ。負けるのが嫌だというか、2、3番手になりたいのだ。昔からそうだ。1番はあまり似合わない。3番手ぐらいが一番自分が生きる。1年後、2年後を想像する。僕はレギュラーにいるかい?いや、まったく想像がつかない。今できることはとにかく練習である。
練習が終わり、駅へ向かう。すっかり夜だ。駅に高橋さんがいた。
「映画は好きですか?」
