大変なことが起きた。あれだけバスケがしたいと思っていたのにやる気が出ない。誰よりも練習しなければならないのに気持ちが入らない。1年生ながらレギュラー組で練習をしているキッシーを見ても悔しいとも思わなくなってしまったのだ。
とにかく走るしかないと思い、練習後残って走ることにした。
頭の中を整理しよう。なぜ身が入らない?走りながら考える。もっと上手くなりたくないのか?自分に問いかける。どこを目指してる?
「こりゃ、迷子だな」
とにかくすっきりするまで走り続けよう。
「僕らはどこへ?」
ギルバート・グレイプのアーニーの台詞を言いながら走った。
「どこへでも」
