ほんの少し前

あの頃が変わってたんだよ

稽古が終わるのが22時過ぎ。
一度家に帰って、バイトに行く。
で、朝までバイト。

カラオケボックスでアルバイトしてた。
フロアをやったり、キッチンをやったり、外で割引券持って客引きをすることもあった。あの頃は客引きは禁止されてなくて普通のことだった。

いつも角に立ってボーッとしてた。暇だからその辺のお店の店員さんと話したりとにかくダラダラしてた。ダラダラは違うか。なんか自分のキャラみたいなのがあって、あの頃の僕は髪が長くて茶色かったり金髪だったりでなんか優等生キャラにはなれなかった。

深夜3時ごろになると歩いてる人はとても少なくなる。中野ブロードウェイに移動してよく踊っていた。中野ブロードウェイが貸切なのだ。

朝5時までだったかな。店が閉まるまで僕は居る。歌っていっていいよって店長は言う。僕は歌うことが苦手だったからよく練習してた。

自転車で帰る。帰って寝るだけ。

昼過ぎに起きて稽古に向かう。そんな生活だった。

あの頃の僕が、今の僕を見たらなんて言うだろう。なんて思うだろう。想像するだけで可笑しくなる。切長の目をした僕は言うんだろうな。思うんだろうな。

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ぼく

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日本で暮らす