ほんの少し前

百花

子どもの長い冬休み。
いつもの生活とリズムが違う。違うリズムで踊る。
3食ごはんを一緒に食べて。おでかけも一緒。笑ったり怒ったりいろんな感情に表情。
大人になったとき。どんな風に覚えてるんだろう。
子どもの時に見た母の背中。どんな風だったのだろう。
もっと思い出したい。ふとした瞬間に出てきてほしい。奥の奥にしまわれた記憶。
「母さん、俺、すっかり忘れてたよ」「半分の花火だよ」
そうなのよ。悲しいかな、知らない間に忘れてしまうのよ。
静かな合間時間に観た母と息子の映画が心にじんわり沁みた。
そんなほんの少し前。

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わたし

ドイツで暮らす