学校行事で舞台は何度か見たことがある。しかしこんなに小さな劇場で舞台を見るのは初めてだった。100人も入らないような劇場で、ステージもとても小さい。この舞台には高橋さんの友人が出演しているとのことだった。
暗転から照明がバーンと照らされた役者さんは大きな声ですごいスピードで台詞を喋っていた。なんだなんだと思いながらも役者さんの熱量にぐいぐい引き込まれていく。
「なんだこりゃ」
こんな世界があったのかと衝撃を受けた僕は胸が熱くなった。終演後、出演者である高橋さんの友人に僕はこう伝えた。
「すごかったです。とてもおもしろかったです。」
なんだこりゃ、からだじゅうに電気が走ったかのような衝撃を受けた僕は帰りの電車でこう思った。
「僕に出来ないだろうか」
