02
第一部

新しい町

新しい町は、駅を出るとすぐに坂だった。私は坂を上りながら、この町の名前をまだ覚えていなかった。

教室のドアを開けたとき、一番後ろの窓際の席が空いていた。担任が「そこ座って」と言った。隣の男子は、私が座っても顔をあげなかった。

休み時間になって、隣の席の男子が消しゴムを落とした。拾って渡すと、彼はやっと私の顔を見た。それだけのことだったのに、しばらく忘れられなかった。

なんていうんだろう
ほんの少し前
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