03
第二部

扇風機の首

教室の扇風機は首を振るのが遅くて、風が来るまでに十二数えた。私は数えるのが癖になっていて、数えているあいだにノートの端に短い文章を書いた。

隣の席の男子は、風が来るたびにプリントを手で押さえた。押さえ方が丁寧だった。たぶん彼は、自分が丁寧だと思っていなかった。

話しかけようと思った日が何度かあった。そのたびに風が来て、十二数えるあいだに機会が終わった。

なんていうんだろう
ほんの少し前
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