帰り道はいつも遠回りだった。近道を知らないふりをするのが、僕たちの決まりごとみたいになっていた。
彼女は自転車を押して歩いた。乗れば五分の距離を、二十分かけて歩いた。その二十分のために、僕は毎日学校に行っていた気がする。
好きだと言わなくても、伝わっていると思っていた。伝わっていなかったことに気づくのは、ずっとあとになってからだった。